スギケンの気まぐれ日記

バイクと山登りが趣味です。

丸太梁

イメージ 1
昨日建前が無事終了し、昔の蔵の地棟が納まりました。

思えば解体の前日、施主さんのお父さんから蔵の一番大きい梁を残して使えないかとの要望をお聞きした。
で、一緒に蔵の2階へ上がり地棟と言う梁を見てみると、虫には結構食われているが、黒光りしている太い梁。
虫害の部分だけを削り落とし、もう一度仕上直せば使えるかも知れない。
と言う事で、工場に持って帰り、大工さんに何とか使えないかとお願いする。

で、で、100年以上蔵及び家族,財産を見守ってきたこの梁。
見事に復活いたしました。
胴梁を受けるように配置し、丸太同士の取り付けがなんとも言えません。
丁度この梁の下が家族団らんのリビング。
お父さんの昔話に花が咲くのは間違いないでしょう。

しかしせっかくのこの梁を、天井で隠してしまっては愚の骨頂。
そこは構造材を表に現す「木の家」ならではの仕上げ。
天井を屋根面に沿って斜めに張り、丸太梁は当然の事、難しい取り合いも全て見せます。

思えばこの丸太同士の取り付け、今の若い大工さんでは出来ないかも知れないね。
現場にて部材を、ドライバー及びカッターナイフだけを使用して完成する家もあります。
ですから、さしがねや墨さしなどの道具も、手に持った事がない方もいるのでわ?
コストの削減,時代の流れと言う理由から、仕方が無い事かも知れません。
しかし住宅も文化と考えるなら、伝統的に受け継がれてきている大工さんによる工法。
「規矩術」と言いますが、前記の理由にてこのまま無くしてしまっても良いものでしょうか…

もはや絶滅寸前かも!
なんとかしなければ!!